ブルーライトカットレンズについて
目次
1.「ブルーライト」って何のこと?2.ブルーライトをカットするとどうなるの?3.ブルーライトカットレンズの種類4.カラーごとの特性5.紫外線とブルーライト話6.紫外線~HEV~ブルーライトまで網羅した対策レンズ |
■ 「ブルーライト」って何のこと?
ブルーライトとは人間の目が認識できる光(可視光線光)の中の青色の光(380nm~500nm)のことを言います。
その中でも一般的に430nm~460nm辺りをブルーライトと呼ぶケースが多いです。
それはパソコンやスマホ等のデジタル機器から発せられるブルーライトの主な波長がその辺りだからです。
人間の目が認識できる光は、波長の中でもおおよそ380~780nm。可視光線の周辺では380nm未満は紫外線、780nm超過は赤外線となっております。
ブルーの光は短波長と呼ばれ、赤色系の長波長に比べてエネルギーの強い光です。
ブルーライトは可視光線の一種なので、私たちの生活の身近なところに存在します。
太陽光をはじめ、照明、テレビやパソコンやスマホのデジタル機器からも発せられております。
■ ブルーライトをカットするとどうなるの?
- ものがシャープに見えます
可視光線の中央に位置する黄緑色の光(555nm)が網膜上に結像した場合、黄緑色の光より短波長(青系の光)は網膜手前で、長波長(赤系の光)は網膜後方に結像します。網膜に焦点を合わせて見ているようでも、波長によって微妙に焦点距離に差が出てくることになります。このようにすべての光を網膜上に結ばせることはできません。短波長光をカットするレンズを装用した場合、その焦点距離の差が小さくなるのでシャープに見えることになります。(図2参照)
(図1)
(図2)
- ちらつき感が減少します
一般的に短波長光は散乱されやすく、ちらつきの原因となると言われています。この短波長光がカットされるとちらつき感が減少します。
- コントラストが向上します
短波長は網膜の手前で結像して、網膜上では散乱された状態で他の色と重なってしまいます。(図1参照)ですので、短波長光側を500nmくらいまでカットするようなレンズでは青色光の透過が抑制され、短波長の散乱によるまぶしさ(白く靄がかかった状態)が軽減するため明暗の差がはっきりした見え方になります。
裸眼時(コントラスト感度の低下した状態)のイメージ
ブルーライトカット時の見え方イメージ
◎こんな方におすすめ!
- テレビやパソコン、携帯やスマホの画面がまぶしく感じる
- LED照明や蛍光灯の室内照明がまぶしく感じる
- 新聞や本の文字がにじんで見える
- メガネの度は合っているのに屋外の建物や看板の文字の輪郭がにじんで見える
- 以前よりまぶしさを感じ、目からくる疲れを感じやすい
※ 効果には個人差がございます。各店舗にサンプルがございますので、実際にお試しいただくことをお勧めします。
※ 子どもの視力はおおよそ8~9歳で大人同様まで成熟すると言われており、その時期までにブルーライトカットレンズを常用すると、自然光のバランスが崩れてしまい、かえって悪影響になる可能性が懸念されています。
《重要:ブルーライトカットレンズの注意点へ→》
■ ブルーライトカットレンズの種類
ブルーライトカットにはコーティングタイプとカラータイプがあります。
コーティングタイプ
レンズの表面にブルーライトカットの層を作り、ブルーライトを反射させることで侵入を軽減します。
極力レンズにカラーがつかないので自然な見え方です。
フレームカラーとの相性を気にせず組み合わせることができます。
注意点)レンズ表面が青色に反射します。写真等で目元が反射して映る可能性があります。
コートの特性上、裏面反射やゴーストが生じる場合があります。
青色をセーブしますので、視界がやや黄味がかって見える傾向があります。
カラータイプよりもブルーライトのカット率は低下します。
レンズにカラーをつけた場合、薄い色だと黄味が影響してサンプルと異なった色になる場合があります。
カラータイプ
レンズを染色することでブルーライトを吸収して侵入を軽減します。
コーティングタイプよりもブルーライトのカット率が高いです。
コーティングには影響を及ぼさないためレンズ表面の反射を起こしません。
注意点)レンズを染色しますので、視界の色味がカラーの影響を受けます。
装用される方によっては少し暗く感じる場合があります。
カラーによって顔映りやフレームカラーとの相性が気になる場合があります。
■ カラーごとの特性
カラータイプには様々なカラーラインナップがあります。
機能的側面、ファッション的側面からお選びいただけます。
ピンク系:肌の色を明るく見せて元気な表情をつくるピンク系。血色感があり、ふっくらした印象になります。散乱しやすい短波長域の光をカットして、鮮明な視界を確保します。
ブラウン系:肌なじみがよく、柔和な印象を与えるブラウン系。コーディネートもしやすい定番カラー。コントラストを高め、くっきりと快適な視界を実現します。
イエロー系:明るくアクティブなイエロー系。視界も明るく、目元の印象も明るくさせたい方におすすめ。効果的にコントラストを高め、くっきりした視界を実現します。
グリーン系:目の疲れが少ないグリーン系。中間波長帯の光を平均的に通すことで、色変化の少ない透明感のある優しい視界を確保します。
パープル系:上品で華やかなパープル系。中間波長帯の光を多く取り入れまぶしさを抑えた明るくシャープな視界を確保します。
グレー系:洗練されたクールな印象のグレー系。オールマイティで、中間波長帯の光を均一に抑え、色の変化を少なくして自然な視界を実現します。
※色ごとの感じられ方は個人差がございます。実際にサンプルを手に取ってご覧いただき、機能面・ファッション面からもっとも心地の良いカラーをご選択になられるのが一番です。
■ 紫外線とブルーライトの話
ブルーライトは可視光の中の短波長であり、紫外線はブルーライトよりさらに波長の短い不可視光です。(「ブルーライト」って何のこと?参照↑)
紫外線がさまざまな影響を及ぼすことは各所で取り上げられており、メガネレンズにおいても昨今はほとんどのプラスチックレンズで紫外線カットが標準装備されております。
しかし、可視光線の下限は360~400nm(上限は760~830nm)と幅があり、ここからここまで!ときっちり線引きできるものではありません。
JIS規格では紫外線カットの基準を380nmと定められており、メガネレンズの紫外線カットも380nm以下をカットしております。
極端な話380nm以下をカットする紫外線カットレンズでは381nmを通していても規格上問題ありません。
では381nmは紫外線ではないので問題がないのでしょうか。
■ 紫外線~HEV~ブルーライトまで網羅
紫外線に反応して色が変わるサングラスレンズの調光レンズを下に敷き、その上に紫外線カットレンズを重ねて紫外線を照射する実験をしました。
レンズの重なっていない部分は紫外線に反応して濃く発色しております。
しかし、紫外線カットレンズを外してみるとどうでしょう。
実はうっすら発色していることがわかりますでしょうか。
HEV(High Energy Violet light)と言われる400nm前後の光をカットすることができるレンズは発色しておりません。
これによって紫外線を完全にカットすることができるようになりました。
HEV対策レンズは各社メーカーから発売されております。
HOYA レイガード
SEIKO フロンティアパレット
HEVはいわゆる一般的にブルーライト(430nm~460nm)と呼ばれる波長より短い波長(~420nm辺り)のことを言います。できればもう少し長め(~460nm辺り)までカットされていると、一層まぶしさの軽減やコントラストアップにつながります。
各社とも複数色の展開がされており、お好みでお選びいただけます。
カラーの選択方法はカラーごとの特性 をご参照ください。
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まとめ
1.ブルーライトは可視光線の中の短波長のこと
2.ブルーライトをカットするとコントラストが向上してものがはっきり見えやすい
3.ブルーライトカットにはコーティングタイプとカラータイプがある
4.紫外線、HEV、ブルーライトそれぞれ適切にカットして快適なメガネライフを