補聴器は両耳装用すべき?メリット・デメリットを補聴器のプロが解説
補聴器の装用を検討されている方の中には「両耳に装用する必要があるの?」「片耳で十分じゃないの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、補聴器の両耳装用のメリット・デメリットについて、専門的な視点から詳しく解説していきます。
1.両耳装用とは何か?
両耳装用とは、文字通り両方の耳に補聴器を装用することです。
人間の聴覚システムは、本来両耳で音を聞くように設計されています。両耳で音を聞くことで、音の方向や距離を正確に把握でき、より自然な聞こえを実現することができます。
近年では、補聴器技術の進歩により、両耳装用時の相互連携機能が充実しています。左右の補聴器が無線で連携し、よりスムーズな音の処理やノイズ抑制を実現するだけでなく、人工知能(AI)を搭載し、周囲の音環境を自動的に分析して最適な音質に調整する機能、スマートフォンとの連携機能、指向性マイクの精度向上など、様々な機能が搭載されています。
また、両耳装用は医療機関や補聴器専門店でも推奨されることが多く、特に両耳に聴力低下がある場合は、積極的に検討される選択肢となっています。
2.両耳装用のメリット
両耳装用には、聞こえの質を大きく向上させるメリットがあります。
- 音の立体的な認識: 両耳で音を聞くことで、音源の位置や距離を正確に把握できるようになり、特に混雑した場所での会話や、車の接近などの危険察知に役立ちます。
- 音の明瞭度の向上: 「両耳加算効果」により、脳が受け取る音の情報量が増え、より鮮明な音声認識が可能になります。
- 騒音下での聞き取りの改善: 脳が音声とノイズを効果的に区別できるようになり、目的の音声に集中しやすくなることで、コミュニケーションの質が向上します。
3.両耳装用のデメリット
両耳装用には、メリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。
- 経済的負担: 2台の補聴器を購入する必要があるため、初期費用が片耳装用の2倍近くになることがあります。また、メンテナンス費用や電池代なども2倍になることを考慮する必要があります。
- 管理の手間: 毎日2台の補聴器の装着と管理が必要となり、電池交換やお手入れの頻度が増えます。
- 慣れるまでの時間: 両耳から入ってくる音に違和感を覚えたり、音の方向感がつかみにくいと感じる方もいます。ただし、適切なフィッティングと装用訓練により、多くの場合改善が可能です。
- ハウリング: 片耳装用に比べてハウリング(ピーピーという音)が発生しやすくなる可能性があります。
- 閉塞感: 両耳に補聴器を装着することで、自分の声が響いて聞こえたり、耳が詰まったような感覚になることがあります。
4.両耳装用が推奨されるのはどんな場合?
両耳装用が特に推奨されるのは、以下の場合です。
- 両耳に同程度の聴力低下がある場合: 聴力検査の結果、左右の聴力差が10dB以内であれば、両耳装用のメリットを最大限に活かすことができます。
- 片耳難聴で、難聴側の耳の聴力が著しく悪い場合: 健聴耳への負担を軽減し、音の方向感や距離感を把握しやすくなります。
- めまいを伴う難聴の場合: 両耳からの情報により、バランス感覚を改善できる可能性があります。
片耳の聴力が正常で、もう片方の耳のみに聴力低下がある場合でも、両耳装用によって聞こえの質が向上する可能性はあります。
最適な装用方法は、聴力状態や生活環境などを考慮して決定する必要があります。
5.両耳装用の調整方法
両耳装用を始める際は、専門家による適切な調整(フィッティング)が不可欠です。両耳の補聴器の音量や音質を個別に調整し、左右のバランスを取ることで、最適な聞こえを実現します。
調整は一度で完了するものではなく、装用者の感想や経験を踏まえて、段階的に行われることが一般的です。
最新の補聴器では、左右の機器が連携して自動的に調整を行う機能も搭載されています。
まとめ
補聴器の両耳装用には、音の方向感や明瞭度の向上、騒音下での聞き取りの改善など、多くのメリットがある一方で、経済的負担や管理の手間、ハウリング、閉塞感といったデメリットも存在します。
両耳装用の選択は、聴力状態や生活環境、経済状況などを総合的に考慮して決定することが重要です。
専門家との相談を通じて、個々の状況に最適な装用方法を見つけましょう。
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