メガネレンズを薄くする方法
強度の近視の方や遠視の方、また遠視の方の老眼鏡など、度数が強くなるほどにメガネのレンズは厚く仕上がってしまいます。
近視の方はレンズの端の厚みが人から見られる時に気になったり眼が小さくなってしまうのが気になります。
遠視の方はレンズの真ん中の厚みが顕著になりメガネが重くなってしまうというお声がありご相談を受けることが多々あります。
フレームからレンズが出ないようにして、メガネを薄くキレイに作るためのポイントとなる点をご紹介いたします。
是非メガネ作成の参考にお役立ていただければと思います。
目次 1)フレームはサイズが小さいものを選ぶ2)フレームの枠の有無と、フレームの横の大きさ3)顔幅と目幅に合ったフレームの選択が大切です4)レンズの設計によって薄く製作する5)プラスレンズを更に薄く仕上げるトレーサーを用いた加工<6)その他 |
メガネレンズをキレイに薄く加工し、キレイに魅せる方法をご紹介
1)フレームはサイズが小さいモノを選ぶ
レンズを薄く仕上げて見栄えの良いモノにするのに一番重要なのがフレームの選択です。
写真1:レンズの端から端までの幅が離れすぎていないデザイン
メガネはほとんどのものが縦と横の長さを比べると横幅のほうが大きいです。
上の写真のようなメガネであればレンズも大きくなく、幅も大きすぎないので厚みは少なくなるでしょう。
レンズの横幅が大きいほどレンズの厚みが増えてしまいます。写真1のようなメガネでしたらサイズ感が大きすぎないのでレンズの厚みが目立たなくなりやすい傾向になります。
(レンズ度数や、目と目の距離によっては厚みが現れる場合があります)
写真2:大きめのフレーム+細いフレーム
このメガネの場合でレンズ度数が大きい方は確実にレンズの厚みが目立ちます。
レンズ度数が強い方の場合にはスタッフとご相談された方が良いかもしれません。
写真3:分厚いフレーム
しっかりめの分厚いフレームの場合にはレンズ度数が強い場合でもレンズの厚みが目立たなくなります。
大きい分厚いフレームの場合にはレンズの端の方に歪みが発生する場合があるのでご注意下さい。お車の運転などの時に側方の歪みを感じる場合があります。
フレームが大きいことによりレンズが大きくなるので、度数によっては目が少し小さく感じる場合があります。その場合にはレンズに10%ほどの薄いカラーを入れたり、あまりお勧めはしませんが眼とレンズの距離をなるべく近づけることにより多少は解消されます。
2)フレームの枠の有無と、フレームの横の大きさ
上の図のように度数が強い場合には端が目立ちます。(レンズ1.5素材-7.00)
特に写真のようなレンズがむき出しのデザインの場合の見た目は、枠の無いフレームのデザインはスッキリとした印象になりますがレンズの厚みがハッキリと分かります。レンズにカラーを10%~25%の間で入れてもらうとレンズの側面にも色が現れ、正面から見た時にはフレーム枠の無いすっきりしたデザインで、斜めや横から見た時にはレンズの側面が染まっているので枠があるように見えるのでカラーを入れるのをオススメしたりもしております。
上の写真のようにフレームの径が小さいほど近視の方はレンズの厚みを抑えることができます。
同じ度数でメガネを製作した場合でも違いが明確に出てきます。
度数の強い方でもレンズを薄く仕上げたいというご要望がありましたらフレーム選びも重要になります。
3)顔幅と目幅に合ったフレームの選択が大切です
上の図のようにお顔のバランスとメガネの幅を合わせる必要があります。
小さなフレームほどレンズの厚みを抑えられます。
しかし、上の図のように顔幅や目幅に合わない小さなメガネフレームを選選択すると窮屈だったりします。大きすぎるともちろんレンズの厚みが増します。見栄えも良くない場合が多いです。
バランスよく目がちょうどレンズの中心にくるフレームサイズのものが最適です。
※ 目の錯覚を利用して目を大きく見せる方法
画像の左右の丸の大きさは実は同じサイズにしております。
白い部分が大きくなることにより、茶色い部分の大きさが違うように見えます。
目の錯覚と人が見た時の感覚を利用して、周囲の白い部分をできるだけ少なくすることにより目が小さく見えるのを防ぐ効果が期待できます。
参考にですが、次のイラストでは、
目がパッチリ大きく見えると思います。
錯覚をメガネに置き換えると「フレームは小さいモノ(お顔のサイズに合っているモノ)」になります。
メガネのサイズ感でレンズの厚みを抑えることができ、メガネを掛けた時のバランスも良くなります。
(大きいメガネを選ぶと小顔効果が期待できます。レンズの度数の強くない方にはあえて大きめの眼鏡を選ぶという選択も有効かと思います。左のイラストの方が若干お顔が小さく見えるかも…です。)
4)レンズの設計によって薄く製作する
両面非球面設計のレンズを選ぶ
レンズには
・球面設計
・非球面設計
・両面非球面設計
3種類の設計があり同じ度数でもレンズが薄く仕上がるのは両面非球面設計です。
更にその設計の中には設計ごとに屈折率が1.50~1.76まであります。
数字が高くなるほど薄く仕上がり見え方や、人から見られたときのレンズの厚さが違うために印象が変わります。
イメージ1 両面非球面設計の場合(上の写真です)
イメージ2 片面非球面設計の場合(下の写真です)
「イメージ1」と「イメージ2」は同じ度数ですが設計によってそもともとレンズの厚みが違います。レンズを加工してメガネにレンズを組入れる時に厚みの違いが現れます。
レンズをできるだけ薄くキレイに仕上げるのであれば両面非球面設計がオススメです。
球面設計:
レンズに自然なカーブあり、度数がそれほど強くない場合には自然にキレイに仕上がります。(個人差はありますが歪みを感じる場合があります)
球面設計の場合には度数が強くなると、カーブが強く表れ厚みが大きく増してしまいます。
非球面設計:
球面レンズに比べて、フラットに近い設計ですので仕上がりが球面よりキレイになります。更に屈折率の高いレンズ(例えば1.76)を選択していただく事などで薄くキレイに仕上げる事に繋がります。
度数が強いと起こるレンズ周辺部歪みは非球面レンズの方が球面レンズよりも少なくなります。
両面非球面レンズ:
片面非球面レンズよりもさらにキレイに美しく自然に仕上げることができるのが両面非球面レンズの特徴です。
度数が強く、レンズの端に起こる歪みを減らす効果もあります。
乱視の度数が強い方にも揺れ歪み収差を抑えてくれます。
(強度数の方で長年にわたって球面設計に慣れてしまっている方には、両面非球面設計が合わない場合もあります)
その他に両面非球面レンズは、顔の輪郭が凹むことを抑える効果があります。
上の写真は度数が-7.00の近視レンズですが非球面設計で素材を変えて製作しております。
極端な例ではありますが屈折率が高い1.76素材(両面非球面設計)を用いることで薄く仕上げることが可能になります。(※レンズの厚みを際立たせるためあえてレンズの端が目立つように製作しました。1.55素材は球面設計レンズにて製作しております。)
5)プラスレンズを更に薄く仕上げるトレーサーを用いた加工
レンズトレーサーを用いることでレンズを可能な限り薄く仕上げることができます。
遠視のお度数の方で、悩まれるのがレンズの厚みが中央にくることと重みが出てしまうことです。
レンズ薄型HELP加工を行った場合では。
レンズの厚みが最適化されます。重量も大幅に軽減することができます。
横から見た時の仕上がりもスッキリとなりプラスレンズをご利用の億役様にはお勧めさせていただいております加工です。オプションにはなりますが長くご愛用頂く場合には是非ご検討ください。
6)その他
メガネレンズと目の距離
目とレンズの距離は12mmが理想(アジア系のお顔の場合)と言われております。レンズの設計の兼ね合いもあり積極的に勧めできる方法ではありませんが、近視の場合はレンズを目にできるだけ近くすることにより、目が小さくなりにくい状態になります。レンズを通して見るモノの見え方が変わったり(大きく見える、側方の見え方など…)ということがあります。近くにすることで目が小さくなることを防いでくれます。
カラーレンズを使用する
レンズにカラーを入れることで白い部分が減ったように錯覚を起こし、レンズの端の方まで色が付くことで目が小さく見えることが少し解消されます。
レンズに薄いカラーを入れることにより周辺部にできやすい「歪み」や「輪郭の凹み」が目立たなくなる効果も期待できます。。
メガネレンズをキレイに薄く加工し、キレイに魅せる方法でした。
最適なものを選択される際に迷われると思いますのでお気軽にご相談ください。