近視が強めの方(強度近視)のメガネ選び

近視が強い方の永遠の悩み。

そう、それは……メガネをかけると目が小さくなってしまうこと!!

お店でメガネを試着しているときはこれが好きと思って選んだのに実際仕上がってみるとなんかイメージが違う…という経験をみなさん少なくとも一度はされたことがあるのではないでしょうか。

そうならないためにもフレーム選びのちょっとしたコツのようなものを今回はお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

目次

1.目の大きさが変わる仕組み

   1)レンズの特性

   2)目の錯覚

2.フレームの選び方について

   1)フレームのサイズ選び

   2)フレームリムのデザイン選び

   3)レンズと目の間の距離

   4)レンズの設計

 

 

■ 目の大きさが変わる仕組み 

 

ところで、そもそもどうして目が小さくなってしまうのでしょうか?

それは、レンズの特性と、目の錯覚が関係しています。

 

レンズの特性

メガネレンズは光を屈折させる作用があります。その作用によって目に入って来た光が網膜上に結像する手助けをしています。

度数の強いメガネは、その焦点の位置ズレをたくさん補正する力を持っています。

それによって近視レンズ(マイナスレンズ、凹レンズ)の場合はレンズを通して見た向こう側が縮小して見える特性があり、逆に遠視レンズ(プラスレンズ、凸レンズ)の場合は拡大して見える特性があります。

メガネを掛けている側からすれば景色がそう見えるし、周りからは目が小さく(または大きく)なって見えるわけですね。

また、近視レンズの場合、目とレンズの距離が近いと収縮量が少なくなり、距離が遠くなると収縮量が大きくなるという特性もあります。遠視レンズの場合は目とレンズが近いと拡大量が小さくなり、距離が遠くなると拡大量が大きくなります。

 

目の錯覚

 デルブーフ錯視という目の錯覚をご存じでしょうか。

それは、同じ大きさの円でも大きい円で囲うのと、小さい円で囲うのとでは中心の円の大きさの印象が変わるというものです。

たとえば下の絵を見てどちらの中心円が大きく見えますか?

おそらく右の中心円の方が大きく見えるのではないでしょうか。

ところが、お察しのとおりどちらも同じ大きさなのです。

 

メガネの話に戻ると、つまり大きなメガネは目とフレームの余白がたくさんあり、小さなメガネは余白が少ないので、大きなメガネは相対的に目が小さく見えて、小さなメガネは相対的に大きく見えることになります。

 細い線より太い線の方が、また淡い色より濃い色の方がより一層その効果を十分に発揮します。

太い線や濃い色は存在感があるため、フレームがアイライン効果となり、メガネ自身が目の一部と化すため、結果メガネも目の一部として認識され大きな目という印象になります。

 

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■ フレームの選び方 

 

メガネのフレーム選びって難しいですよね。

何が合っているのか基準が分からなくて、ついついなんとなくで決めてしまいがち。

それは悪いことではありません。鏡に映るメガネを掛けた姿を見て

「あ、なんかいいな」その感覚はぜひ大事にしていただきたいポイントです。

しかし、強度近視さんとなると少しだけ話が複雑です。

なぜならいま鏡に映っているメガネはメガネとして未完成だからです。

メガネはお選びいただいたフレームにレンズを入れて初めて完成します。

 そこで先述の目の大きさが変わる仕組みを踏まえて、4つのポイントに分けて大切な順番に並べてみました。

 

 

1.フレームのサイズ選び

2.フレームリムのデザイン選び

3.レンズと目の間の距離

4.レンズの設計

 

 

 

フレームのサイズ選び

 

 フレーム選びの基本はお顔のサイズにメガネを合わせることです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

その際、+αで気を付けていただきたいのが、「レンズサイズが小さめのメガネ」をお選びいただくということ。 

メガネの幅自体はお顔に合っていて、且つレンズのサイズはなるべく小さい。

これが目が小さくなりにくいメガネ選びの極意なのです!

 

 (説明画像の挿入)

 

 

フレームリムのデザイン選び

 

フレームのデザインは多様です。色、形、素材、リムの太さなど、さまざまな要素があります。

強度近視さんにおすすめなのは、

①色が濃くて、②リムにボリュームがあるフレームです。

度数の入っていない状態では少し小さめだったり、少しインパクトが強すぎたりするくらいがちょうどよかったりします。

 

(画像の挿入)

 

 

フレームのリムに厚みがあるタイプはメガネの存在感が上がるだけでなく、レンズの厚みをカバーしてくれます。

 

(参考画像の挿入)

 

金属フレームでもレンズのカバー力をアップさせるために厚めにデザインされた商品もあります。

 

 

レンズと目の間の距離

 

メガネレンズは目との距離感の違いで収縮効果、拡大効果が変わるというお話をしました。

つまり、メガネが目から離れないように気を付ければ、目が小さくなる効果を最小限に抑えることができるのです!

一般的に、メガネと目の距離の標準は12mmです。

必ずしも12mmでなくてはならないわけではなく、強度近視さんにとって注意したいのは12mmより遠くなることです。

遠い距離にフィッティングされていると、一層目を小さくする要因となってしまいます。

ぜひ12mmないしそれ以下をキープしたいところ。

 

※ ただし注意したいのは、目とレンズの距離感は度数の作用にも大きく影響するという点。

目とレンズの距離が近いと収縮効果が抑えられると同時に、近視の矯正力が上がるため、たとえば12mmを想定して処方されたメガネを後から10mmに変えると、度が強く感じてしまい場合によっては気持ち悪い…なんてことにもなりかねません。

そして遠近両用の場合はあまり近づけすぎてしまうと、回旋の角度が急になりすぎてしまい近方視がしづらくなる…というデメリットも。

また、まつ毛の長い方や、まつエク・マスカラなどをされていてレンズを近づけるとまつ毛がレンズに当たってしまい汚れや傷の原因になってしまうこともあります。

もともと長い場合は仕方ないですが、メイクの際はなるべくまつ毛を前ではなく上向きカールにすることを意識するといいかもしれません。

 

 

レンズの設計

 

 レンズには大きく分けて球面、非球面、両面非球面という3つの設計があります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

球面→非球面→両面非球面の順に周辺の歪みを軽減する補正が施されているため、

目が小さくなってしまったり、フェイスラインが崩れてしまうのをある程度防ぐことができます。

 

           ⇩

 

 

また薄型レンズにすることでも歪みを減らすことはできますので、両面非球面の薄型レンズが、見た目のすっきり感という面ではもっともおすすめということになります。

しかしそれもフレーム選びを間違えてしまうとあまり効果を期待できなくなってしまうため、やはりフレーム選びには気を付けたいところです。

 

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まとめ

1.レンズの幅がなるべく小さいものを選ぼう

2.できればフレームの色が濃くて太いものがおすすめ

3.目とメガネの距離をどこまで近づけられるか事前に店員さんと相談しよう

4.両面非球面の薄型レンズを選べばなおGOOD

 

 

以上なるべく目が小さくなりにくいメガネの選び方のお話でした。

フレーム選びで迷っておられる方、どう選んだらよいか悩んでおられる方など、いつでもスタッフがお客様と一緒にお探しさせていただきますので、お気軽にご相談ください。